海外OTAに支払う手数料の問題も、このツールでの直販強化で解決していきたい。
導入後、いきなり団体客の大型予約が入るなど驚きの連続だった。海外OTAに支払う手数料の問題も、このツールでの直販強化で解決していきたい。

WhatsApp×AIエージェントによるインバウンド対応の完全自動化と直販強化
新橋のフードエンターテインメント施設「グランハマー」(運営:浜倉的商店製作所)では、訪日外国人観光客の増加に伴う問い合わせ対応の逼迫や、多言語対応・営業時間外対応の負荷といった課題を解決するため、WhatsApp上で稼働するAIエージェント「AIインバウンド担当」を導入しました。
本取り組みは、株式会社ikuraが開発し、東京都のスマートサービス実装促進プロジェクト「Be Smart Tokyo」の支援のもと実装されたものです。
グランハマーは、お座敷遊びや芸者の舞、日本各地の食文化体験などを提供する約2,500坪・全9フロア構成の大型エンターテインメント施設として2024年に開業し、訪日外国人向けの文化体験拠点として急速に利用者を拡大しています。一方で、海外OTA(オンライン旅行代理店)依存による手数料負担や、施設の魅力を十分に伝えきれない予約導線の課題を抱えていました。
こうした背景から、訪日客が日常的に利用するWhatsAppを起点に、予約・問い合わせ・体験販売・レビュー収集までを一気通貫で自動化するAIエージェントを導入。24時間多言語での即時応答を可能にし、直販チャネルの強化と運用効率化を同時に実現しました。
導入効果
導入から約3ヶ月弱で、以下の成果を達成しました。
- 売上160万円以上の増加
- 問い合わせ対応の解決率100%を達成
- 予約・体験販売の完全自動化
- 営業時間外の機会損失削減
- 海外OTA依存から直販比率向上への転換
導入初期から団体客の大型予約が発生するなど、従来のOTA中心の集客では捉えきれなかった需要を獲得する成果も確認されています。
現場コメント
「我々は“居酒屋業態”という特性上、高額なショーや体験コンテンツを海外OTA上でどのように表現すべきかが分からず、十分なPRができていないという課題がありました。
導入後はWhatsApp経由での問い合わせがそのまま予約に直結し、想定以上の団体予約も発生するなど、大きな変化を感じています。
今後はOTA手数料の課題についても、直販比率を高めることで改善していきたいと考えています。」
データドリブンなインサイト創出
AIエージェントは単なる予約・問い合わせ自動化にとどまらず、顧客とのチャットデータを蓄積・分析することで新たな事業機会の発見にも寄与しています。
実際に、「旅の疲れを癒やすマッサージチェアのニーズ」など、従来は顕在化していなかった訪日客の潜在ニーズを抽出し、新サービス開発や体験設計改善のヒントとして活用されています。
今後の展開
本プロジェクトは東京都「Be Smart Tokyo」を活用した実証を経て、現在は本格導入フェーズへ移行しています。
さらに、系列施設である「歌舞伎HALL」への展開も決定しており、グループ全体でのインバウンド対応の高度化と直販強化を進めています。
今後は、AIによる多言語接客・販売の標準化を通じて、訪日観光体験の質向上と施設収益モデルの進化を目指します。
