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2026-10-24

訪日市場としての中東・北欧・メキシコ。数字から見えるそれぞれの特徴

作者:ikura インバウンド総合研究所 沼田

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観光庁のインバウンド消費動向調査に、2026年の調査から新しい区分が加わりました。メキシコ、北欧、中東の3つです[1]。

それまで、インバウンド消費動向調査では、これらの国・地域からの旅行者は「その他」にまとめられていました。2026年から独立した調査対象となったことで、旅行支出や費目別の使い方、平均泊数などを個別に確認できるようになっています[1]。

中東・北欧・メキシコの区分

まず、それぞれの区分に何が含まれるのかを確認します。

北欧は、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドの4カ国です。中東は、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、オマーン、カタール、クウェート、トルコ、イスラエルの8カ国を指します。メキシコは単独の国として区分されています[1]。

1人当たりの支出が高い

2026年4〜6月期の訪日旅行者数は、メキシコが5万4千人、北欧が5万9千人、中東が8万4千人でした。3つを合わせても19万7千人で、全体1,025万4千人の約1.9%にとどまります[1]。

一方で、1人当たりの旅行支出を見ると様相が変わります。メキシコが51万4,925円で全市場のなかで最も高く、次いで中東が48万2,836円、北欧が36万1,941円です。全体平均は24万4,457円ですから、メキシコは平均の2倍を超えています[1]。

消費額で見ると、メキシコが279億円、北欧が215億円、中東が404億円で、合計898億円です。全体2兆5,096億円に占める割合は約3.6%になります[1]。人数では1.9%、消費額では3.6%ですから、人数の規模以上に消費への寄与が大きい市場だと言えます。

滞在が長い

もう一つの特徴が、滞在日数です。

平均泊数は、メキシコが13.6泊、北欧が12.8泊、中東が12.5泊でした。全体平均の8.7泊と比べると、いずれも4泊前後長くなっています[1]。

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3市場はいずれも全体平均より滞在が長いという共通点があります。ただし、今回の調査だけから、その理由まで特定することはできません。長距離市場であることや、一度の訪日で複数の地域を訪れる旅行形態など、複数の要因が考えられます。

1泊あたりで見ると、印象が変わる

ここで一つ確認しておきたいことがあります。1人当たり支出の高さが、どこから来ているのかという点です。

単純に1人当たり旅行支出を平均泊数で割ると、メキシコは1泊あたり約3万7,900円、中東は約3万8,600円、北欧は約2万8,300円となります。全体も同じ方法で計算すると約2万8,100円です[1]。

北欧は、1泊当たりの単純計算では全体とほぼ同じ水準です。そのため、1人当たり支出36万1,941円という数字の高さには、滞在日数の長さが大きく影響しているとみられます。

メキシコと中東については、1泊あたりでも全体を3割以上上回っており、滞在の長さと1日あたりの支出の両方が寄与していることになります。

総額の大きさだけを見ると、どの市場も一様に高単価に見えます。しかし内訳を分けると、その理由は市場によって異なります。滞在日数の長さが支出額につながっている市場と、1泊あたりの支出も高い市場とでは、事業者が考えるべき施策も変わってきます。

お金の使い方にも違いがある

費目ごとに見ると、3市場それぞれに特徴があります。

メキシコは、交通費が5万9,310円、娯楽等サービス費が3万3,366円で、いずれも全市場のなかで最も高い水準です[1]。娯楽等サービス費の全体平均は1万598円ですから、その3倍以上を使っている計算になります。メキシコでは、交通と娯楽・サービスへの支出が特に大きいことが分かります。

中東は、買物代が13万8,962円と高く、宿泊費も18万7,179円で上位に入ります[1]。

北欧は、1人当たり支出では3市場のなかで最も低いものの、飲食費は8万7,640円で全体平均5万3,143円を大きく上回ります。娯楽等サービス費も2万4,273円と、全体平均の2倍以上です[1]。

いずれも、宿泊や買物だけでなく、食事や体験に一定の支出が見られる市場です。

自施設にこれらの旅行者が来ているかを確認する

では、自施設にこれらの市場からの旅行者が来ているかは、どう確認できるでしょうか。

宿泊施設であれば宿泊者名簿、体験施設であれば予約時に取得している国籍や居住地の情報が手がかりになります。予約サイト経由の場合、管理画面で国・地域別の内訳を確認できることもあります。

自社サイトにGoogle Analyticsなどのアクセス解析ツールを導入している場合は、サイト訪問者の国・地域や使用言語も参考になります[2]。予約データや問い合わせ履歴と組み合わせて見ることで、実際にどの市場から関心が寄せられているかを把握しやすくなります。

全国の統計は、あくまで日本全体の平均です。どの市場からの旅行者が実際に届いているかは、立地や提供しているサービスによって施設ごとに大きく異なります。統計の数字を見る前に、自社の数字を確認しておくことが出発点になります。

事業者にとって何を意味するか

3市場はいずれも規模としては大きくありません。この数字をもって、すぐに集客の重点を移すべきだという話にはならないと思われます。

ただ、今回3市場が独立した調査対象となったことで、これまで「その他」に含まれていた市場について、今後は四半期ごとの変化を追えるようになりました。2026年4〜6月期の数字は、その推移を見ていくための一つの基準点になります。

実務上の意味があるとすれば、対応言語の検討です。北欧4カ国、中東8カ国、そしてスペイン語圏のメキシコと、いずれも日本語や英語を母語としない旅行者が中心です。

こうした市場も含め、訪日客の出身国・地域が多様になるほど、英語だけに頼らず、旅行者が理解しやすい言語で情報を得たり、問い合わせたりできる環境の重要性は高まります。

多言語での問い合わせ対応について

私たちikuraは、旅行者からの問い合わせに応答し、そこから予約・決済までをつなぐ部分を支援しています。

ikuraの「AIインバウンド担当」はWhatsAppと連携し、訪日外国人からの問い合わせ、提案、予約、決済に50ヵ国語で24時間対応する多言語AIエージェントです。WhatsAppは世界で30億人を超える人々に利用されており[3]、旅行者は普段使いのメッセージアプリのまま、施設へ直接質問できます。施設が持つ情報をもとに個別の質問へ回答し、スタッフの営業時間外にも接点を維持します。

まずは自施設に、どの国・地域からどの言語で問い合わせが届いているのかを確認してみてはいかがでしょうか。

無料デモ・お問い合わせはこちらから👇
https://www.ikura.io/

出典

[1]観光庁「インバウンド消費動向調査2026年4-6月期(1次速報)の結果について」
2026年7月15日発表。全国の数値。2026年調査よりメキシコ、北欧、中東を調査対象国として追加。北欧にはスウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、中東にはサウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、オマーン、カタール、クウェート、トルコ、イスラエルが含まれる。3市場および全体の1泊あたり金額は、1人当たり旅行支出を平均泊数で割って本記事で算出。
https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/002011761.pdf

[2]Google Analytics ヘルプ「ユーザー属性の詳細レポート」
Google Analytics 4では、ユーザーの国・地域や言語などを確認できる。
https://support.google.com/analytics/answer/12948931?hl=ja

[3]Meta, "It's Time to Reserve Your WhatsApp Username"
2026年6月29日公開。WhatsAppの利用者が世界で30億人を超えることを記載。
https://about.fb.com/news/2026/06/its-time-to-reserve-your-whatsapp-username/

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